2013年01月09日

ラブクラフト再び

ラブクラフトの話を昨日書いて、ちょっと書き足りなくなったのでもう少し。

数ある作品の中で、最初に読んで、かつインパクトが大きかったのが「インスマスの影」。
インスマスとは地名で、ラブクラフトの作品全般に登場する「アーカム」という都市からニューベリーポート(こちらは実在するマサチューセッツ州の都市)へ行く途中にある古い港町の名です。
ネタばれにならない程度に作品を紹介しておくと・・・。

成人になった記念の旅行をしている主人公の若者は、旅費を節約するためにインスマス経由アーカム行きのバスに乗った。バスの運転手はまるで魚のように見える、人を不安にさせる顔をした無愛想な男だった。そして途中のインスマスでなぜかバスは止まってしまう。
そこはゴーストタウンのような古い港町で、興味本位であちこち歩き回っていた若者は、港を徘徊するアル中の老人から、この街に伝わる忌まわしい伝説を打ち明けられる。それによるとこの街の住民は、漁で魚を大量に得るために、海の邪神たちと交わってきたというのである。その結果として、人間と邪神の混血児が生まれ、それはいわゆる半魚人のような顔をしており、人目につかないように今も街のあちこちの家の中でひっそりと隠れて暮らしているのだと。
気味の悪い話と思いつつも適当に聞き流して、その日は結局バスは出ず、若者は仕方なくインスマスの唯一の宿で一夜を明かす事になる。そしてその夜、若者はえも言われぬ恐怖の体験をして、命からがらインスマスから脱出する。
そして若者は何とか自宅へもどるのだが、その後自分の身に起きる変化を通して真に恐ろしい事実を知ることになる。
と、ザックリいうとこんなストーリーです(ちょっとバラし過ぎかな)

はっきり言うと、失礼ながらストーリーの展開に関してはそれほどスゴいという感じでもなく(要するに平凡)、特に最後のどんでん返しのシーンはもう少し丁寧に、盛り上げを意識して書いてもいいんじゃないかと素人目にも思います。
なのですが、作品全体がなんとも言えない重い空気というか、救われなさというか、そういうものに支配されていて、それがものすごく印象に残るのです。そして昨日も紹介した訳者の大瀧啓裕さんの難解な訳が、その印象を更に強めてくれます。

ちなみにこの作品は、日本でも佐野史郎が主役をつとめて、TVドラマ化されました。YOUTUBEにも全編がUPされているので興味のある方はご覧ください。(ドラマタイトル:インスマスを覆う影



インスマスやアーカムが日本の漢字の地名で登場したりして、昔からそれらの名称と親しんできた身としては違和感があるものの、ドラマに使われるまで一般的な作品になってきたのかと、すこし感慨深い気もします。
でもやはり個人的には、原作とドラマは全く違う作品だなあというのが正直な感想ですけどね。




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ラベル:あれこれ
posted by Yasushi at 23:58| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書したい! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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